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ネットワーク管理者がやるべき業務とは?役割を解説

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「いないと一番困る仕事」の中身を見える化する|平時と有事の両輪で支える役割

【この記事のポイント】

  • ネットワーク管理者の役割が「トラブルが起きたときに直す人」だけでなく、「トラブルが起きないように設計・監視・調整する人」だと分かる
  • 日常業務(監視・問い合わせ対応・設定変更・資産管理・セキュリティ・ドキュメント化)と、いざという時の対応(障害対応・原因分析・再発防止)を具体的にイメージできる
  • 実体験と現場の声から、「何をやっているか見えにくいけれど、いないと一番困る仕事」であることが、感情レベルで伝わってくる

今日のおさらい:要点3つ

  • 一言で言うと、ネットワーク管理者の仕事は「ネットワークを“止めない”“危険にさらさない”“将来に耐えられるよう育てる”こと」です
  • 最も重要なのは、「①日々の状態を把握する(監視・点検)」「②変更とトラブルをコントロールする(設計・変更管理・障害対応)」「③情報を共有しやすくする(ドキュメント・社内調整)」の3つです
  • 失敗しないためには、“目の前の障害対応だけ”に追われず、トラフィックや構成、問い合わせ内容から「次に起こりそうなこと」を読み取り、少しずつ先回りのメンテナンスと仕組み化に時間を割くことが不可欠です

この記事の結論

一言で言うと「ネットワーク管理者がやるべき業務は、“今日ネットワークを止めないこと”と“1〜3年後も破綻しないように育てること”の両方を、現場と経営の間でバランスさせる仕事」です。

最も重要なのは、「①監視と日常運用(見張る)」「②設計・構築・変更管理(変える)」「③セキュリティ・ドキュメント・社内調整(守り、伝える)」という3つのレイヤーを意識して、自分(たち)の担当範囲と外部パートナーの役割をはっきりさせることです。

失敗しないためには、“全部自分でなんとかする”ではなく、「ここまでは自社で担う」「ここから先は専門業者と一緒にやる」という線を引き、平時から構成図やログ、ルールを整えておくことで、いざという時の負荷とリスクを下げておく必要があります。

日常的にやるべき業務

業務① ネットワークの監視と健康チェック

ネットワーク管理者の1日は、「異常が起きていないか」の確認から始まることが多いです。

代表的なタスク:

監視ツールやダッシュボードのチェック

  • 回線・ルーター・スイッチ・無線APの状態。
  • トラフィック量・CPU負荷・エラーパケット。

ログのざっとした確認

  • 昨日〜今朝にかけての警告やエラー。
  • 不審なアクセスや認証失敗の増加。

定期的な“健康診断”

  • 月次での利用率・遅延・障害件数の集計。
  • 帯域や機器の“余裕”の確認。

正直なところ、この「何も起きていなさそうに見える状態を確認し続ける」のが、最も地味で、しかし一番効いてくる仕事だったりします。

業務② 利用者からの問い合わせ対応と一次切り分け

ネットワーク管理者のところには、日々、こんな声が届きます。

「突然インターネットに繋がらなくなりました。」 「特定のシステムだけ重い気がします。」 「会議室のWi-Fiがよく切れるんですが…。」

このときの役割は、単に「再起動して様子を見る」ではなく、

  • それはネットワークの問題か?
  • 端末やアプリ側の問題か?
  • 局所的な問題か、全体の問題か?

を切り分けることです。

よくある流れ:

  • いつから・どのくらいの頻度で・どの場所で起きているかヒアリング。
  • 監視画面やログで、その時間帯・区間に異常がないか確認。
  • 有線/無線・別端末での再現確認。

実は、この“一次切り分け”を丁寧にやるほど、ベンダーや他部署へのエスカレーションもスムーズになり、全体の対応時間が短くなります。

【実体験1】「ネットが遅い気がする」の一言から、詰まりどころが見えた話

以前、社内の営業チームから

「最近なんだかネットが重い気がして……。」

と、ややぼんやりした相談を受けたことがありました。 そのとき、内心では

「また“気がする”か…。」

と少しだけため息が出そうになりましたが、ぐっと飲み込んで、

  • いつ頃から?
  • どの時間帯?
  • どのシステムを使っているとき?
  • 有線と無線、どちらでも同じ?

と、一つずつ聞いていきました。

結果として分かったのは、

  • 「毎週月曜の朝」「クラウドのSFAにログインするとき」が特に重い。
  • 有線で試すと、体感はかなりマシになる。

という事実。 監視ログを確認すると、まさにその時間帯だけ、特定のVLANのトラフィックが跳ね上がっていました。

調べてみると、SFAのバージョンアップに伴って、月曜朝に大きな同期処理が走るようになっていたのです。

対策として、

  • 一部の処理タイミングのずらし。
  • 帯域制御でSFA関連トラフィックを優先。

を実施したところ、営業チームからの“なんとなく重い”という声はほぼ消えました。

正直なところ、「ネットが遅い気がする」の一言をスルーせず、“具体的な時間・場所・システム”に落とし込むだけで、見えてくるものは大きく変わります。

設計・構築・変更とセキュリティ

業務③ ネットワーク設計・構築・変更管理

ネットワークは、一度作って終わりではありません。 拠点の追加・クラウドサービスの導入・テレワーク対応など、変化に合わせて“育てていく”必要があります。

代表的なタスク:

新規構築・更改時の設計

  • 回線構成・ルーティング・VLAN設計。
  • IPアドレス設計・名前解決(DNS)。
  • 冗長化・障害時の迂回経路。

変更管理

  • 機器追加・設定変更の計画と影響範囲の確認。
  • 作業手順書の作成とレビュー。
  • 作業後の確認と、コンフィグのバックアップ。

よくあるのが、“小さな変更だから”とログを残さず設定をいじり、数か月後に何が原因だったか追えなくなるパターンです。 ネットワーク管理者の仕事は、「変える」と「記録する」をセットで行うことでもあります。

【実体験2】「誰も変えていないはず」の裏にいた、“昨日の自分”

ある拠点で、突然特定セグメントの通信遅延が発生したときの話です。 関係者全員に聞いても、

「昨日の夜から、特に何も変えていません。」

という返事ばかり。

幸い、その拠点だけ設定バックアップを自動取得していたので、前日とのコンフィグ差分を比較してみました。 すると、想定外のACL(アクセスリスト)の変更が一行だけ混ざっていました。

それを見た同僚の管理者が、数秒黙ったあとで

「……実は昨日、外部アクセスの制限を少し変えたんです。問題ないつもりで。」

と、申し訳なさそうに打ち明けました。

ACLを元に戻した瞬間、遅延はすっと消えました。 もし差分の記録がなければ、“誰も触っていない前提”で、別のところを延々疑っていたはずです。

この経験以来、「変更したら必ず記録を残し、戻せる状態にしておくこと」は、どんなに小さくても外せないルールになりました。

業務④ セキュリティ対策(境界・内部・運用の3層)

ネットワーク管理者は、セキュリティ担当と協力しながら、ネットワーク面の防御を担います。

代表的な観点:

境界防御

  • ファイアウォール・WAF・VPNの設計と運用。
  • インターネット接続経路の監視とログ管理。

内部ネットワークの分離

  • 社内・ゲスト・管理系・基幹系などのネットワーク分離。
  • VLAN設計とアクセス制御リスト(ACL)。

運用ルール

  • Wi-Fiの暗号化方式・パスワード運用。
  • 外部委託やリモートメンテナンスの接続ルール。
  • ログの保存期間と閲覧権限。

実は、「セキュリティ製品を入れること」よりも、「ネットワーク構成と権限・運用ルールをどう設計するか」の方が、長期的には効いてきます。

よくある質問

Q1:ネットワーク管理者は、どこまでを担当する仕事ですか?

A1:多くの現場では、ルーター・スイッチ・無線LAN・回線手配・ファイアウォールなどインフラ周りを中心に、監視・障害対応・変更管理・セキュリティ・ドキュメント整備までを担当します。サーバやアプリは別チームと分かれることも多いです。

Q2:1日の仕事のイメージは?トラブルがない日は何をしていますか?

A2:朝の監視チェックと前日のログ確認、簡単なメンテナンス、問い合わせ対応、構成図や台帳の更新、次の更改や増設の検討などに時間を使います。トラブルがない日ほど、“将来のトラブルを減らす仕事”に集中できます。

Q3:ネットワーク管理者に必要なスキルは何ですか?

A3:TCP/IPの基礎、ルーティング・VLAN・VPN・Wi-Fiなどの知識に加え、ログを読み解く力、設計やドキュメント化の力、社内外とのコミュニケーション力が重要です。技術と同じくらい、「説明する力」が求められる仕事です。

Q4:資格は必要ですか?どんな資格が役に立ちますか?

A4:絶対条件ではありませんが、Cisco系(CCNAなど)やネットワークスペシャリスト、ベンダー独自資格は、知識の整理や社内外への説得力という意味で役立ちます。とはいえ、現場では“資格よりも経験”を重視される場面も多いです。

Q5:全部を自社でやるのは大変そうですが、どこから外部に任せるべきですか?

A5:常時監視や一次対応、配線工事、複雑な設計・検証、セキュリティ診断などは外部パートナーと分担し、自社は「要件定義と判断」を中心に担う形が現実的です。全部を抱え込むと、属人化と休日呼び出しのリスクが高まります。

Q6:小さな会社にもネットワーク管理者は必要ですか?

A6:専任が難しければ、“情シス兼任”でも構いませんが、「誰がネットワークの責任者か」は決めておいた方が安心です。その人が外部ベンダーとの窓口と、最低限の構成図・ルールの管理を担うだけでも違います。

Q7:将来性がありますか?クラウド時代でも必要な仕事でしょうか?

A7:クラウドやゼロトラストが進んでも、「拠点〜クラウドをどうつなぐか」「SaaSと社内システムをどう連携させるか」「セキュアなアクセス経路をどう設計するか」は残り続けます。形は変わっても、“ネットワークを設計・運用する仕事”の重要性はむしろ増えています。

まとめ

ネットワーク管理者がやるべき業務は、「監視と日常運用」「設計・構築・変更管理」「セキュリティ・ドキュメント・社内調整」という3つのレイヤーに分けて考えると整理しやすく、どの会社でもこの3つのバランスをどう取るかが悩みどころになります。

平時の地味な監視・点検と、小さな変更の記録・設計の見直しを積み重ねることで、“障害が起きたときにだけ目立つ仕事”から、「気が付けばトラブルが減っているインフラ」を支える仕事に変わっていきます。 ネットワーク管理者は、その見えにくい価値を、数字や図や説明で周りに伝えていく役割も担っています。


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