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工場ネットワークの分け方と注意点|生産設備と事務のLANは分離すべき?

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工場の生産設備と事務所のパソコンが同じネットワークにつながっている。分けた方がいいのか、どこまでやれば十分なのか

工場のネットワークは、生産設備・事務・来客の3つに分けるのが基本です。ただし、全部を一度に作り直す必要はありません。判断の軸は「止まったら困る機器」「外とつながる経路」「現場で誰が触るか」の3つ。この3つを洗い出せば、分け方と優先順位はほぼ決まります。

発端は、取引先から届いた一通のアンケートだったりします。「制御系ネットワークと情報系ネットワークは分離されていますか」。はい・いいえの欄を前に、事務所から工場棟へ延びるLANケーブルを思い浮かべる。何台の機械がどこにつながっているのか、正確に答えられる人が社内にいない。

「分けろと言われても、設備メーカーごとに業者が違うんだよな」
「ラインを止めずに工事なんてできるのか」
「うちみたいな規模で、そこまで必要なんだろうか」

迷いやすいのは、工場のネットワークが「後から少しずつ継ぎ足されてきたもの」だからです。設備を導入するたびに別の業者がハブを置き、誰も全体像を持っていない。この記事では、名古屋で電気通信工事とICTソリューション(LAN配線、スイッチ、ファイアウォール、建物間の無線LANなど)を手がける立場から、分け方の考え方、工場ならではの事情、業者を比べるときの基準を整理します。

【この記事のポイント】

  • 生産設備・事務・来客の3つに分けるのが基本。まずは来客用の切り離しから始められる
  • 分離の方法はVLAN・物理分離・ファイアウォールなど複数あり、手間と進め方が違う
  • 設備メーカーのリモート保守の経路を把握しておくことが、見落としやすい要点

この記事の結論

  • 一言で言うと、工場のネットワークは「止まったら困るもの」を他から守る形で分ける
  • 最も重要なのは、今どの機器がどこにつながっているかを先に一覧にすること
  • 失敗しないためには、設備メーカーの保守回線と生産スケジュールを工事計画に組み込むこと
  • 1社の提案で即決せず、2〜3社に同じ機器一覧と構成図を渡して比較するのが近道

中小規模の工場でネットワークがつながりっぱなしになる3つの事情

設備を導入するたびに、別の業者がハブを足していく

正直なところ、工場のネットワークが混ざってしまうのは、誰かの手抜きのせいではありません。多くの場合、設備を入れるたびに「とりあえず近くのハブにつなぐ」を繰り返した結果です。

こうした環境では、家庭用のスイッチングハブが棚の上や配電盤の横に何台も置かれ、工作機械の稼働監視、生産管理システム、事務所のパソコン、休憩室のテレビまでが同じネットワークに並ぶ、という状態になりやすくなります。どのケーブルを抜いたら何が止まるのか分からないため、誰も触れません。結果として、調べることそのものが先送りされていきます。

最初の一歩は、機器を数えることです。ハブの台数と設置場所、外につながる回線の本数、無線のアクセスポイント。これだけでも紙に書き出すと、手をつける順番が見えてきます。

設備メーカーのリモート保守が、外への入口になっている

よくあるのが、設備メーカーが遠隔で保守するためのルーターやモバイル回線が、工場内に置かれているケースです。故障時にすぐ見てもらえる便利な仕組みですが、そこから社内ネットワーク全体に入れる状態になっていることがあります。

経済産業省やIPA(情報処理推進機構)は、工場や制御システムのセキュリティについて、事業者向けの考え方や手引きを公開しています。いずれも、外部との接続点を把握することを出発点に置いています。内容は改訂されるため、詳しくは各公式サイトで最新のものを確認してください。

ケースによりますが、保守回線を止める必要はありません。つながる範囲を設備の区画だけに絞り、使うときだけ接続する運用にすれば、メーカーの保守は続けられます。大切なのは、どの回線が、いつ、どこまで届くのかを社内で説明できる状態にしておくことです。

生産を止められる時間が、ほとんどない

実は、技術的な難しさより大きいのが「いつ工事するか」です。24時間稼働のラインでは、ネットワークを止められるのは年に数回の長期休暇だけ、ということも珍しくありません。連休に合わせるとなると、調査と設計は数か月前から始める必要が出てきます。

ここで効いてくるのが、工事を分割できるかどうかです。配線を通す作業や機器の事前設定は、稼働中でも進められる部分があります。止めるのは切り替えの瞬間だけ、という組み立て方にできれば、停止時間は短く抑えられます。逆に、一度に全部を作り直す案は、止める時間が長くなりがちです。


分離の方法を選ぶときの判断基準と、進め方の組み立て

業者比較にも使える判断基準5つと、分け方の比較表

工場のネットワークを分けるとき、そして業者の提案を比べるときに使える基準は次の5つです。

  1. 重要度:止まったときに生産や出荷に直結する機器はどれか
  2. 外部との接続点:インターネット、メーカーの保守回線、持ち込みのUSBなど外から入る経路はどこか
  3. 工事できる時間:ラインを止められる日と時間帯はいつか
  4. 運用のしやすさ:現場の担当者が設定変更や障害の切り分けをできるか
  5. 記録:構成図と機器の一覧が引き渡されるか

分け方ごとの違いは次のとおりです。費用は工場の広さ、機器の台数、配線ルートによって大きく変わるため、現地調査のうえでの見積もりで確認してください。

分け方 仕組み 向いているケース 注意点
VLANで論理的に分ける 管理機能付きスイッチで通信の区画を設定する 既存の配線を活かしたい/段階的に進めたい 設定を誤ると区画が混ざる/管理スイッチの知識が必要
物理的に配線を分ける 区画ごとに別の配線と機器を用意する 止まると困る設備を確実に隔離したい 配線工事の手間が大きい/後から変更しにくい
ファイアウォールで区画間を制御 必要な通信だけを通し、記録を残す 保守回線や事務との行き来を残したい 通る通信の洗い出しに時間がかかる
来客用だけ別回線にする 来客・協力会社用に独立した回線を引く まず一歩目を小さく始めたい 生産設備と事務の分離にはならない

どれか1つを選ぶより、組み合わせることが多いはずです。まず来客用を切り離し、次にVLANで事務と生産を分け、重要な設備の手前にファイアウォールを置く。そうした段階的な進め方なら、1回あたりの工事も停止時間も小さく抑えられます。

決める前にそろえる材料と、確認する順番

相談の前に手元の情報を整理しておくと、各社の提案の差が見比べやすくなります。そろえるのは次の材料です。

  • 機器の一覧:ハブ、ルーター、無線AP、サーバ、制御用パソコンの台数と設置場所
  • 外への出入口:インターネット回線、メーカーの保守回線、モバイル回線の本数
  • 止められない機器:止まると生産や出荷が直ちに滞るものはどれか
  • 工事できる日:長期休暇、月曜の朝、夜勤の切れ目など、実際に止められる時間帯
  • 図面:建物の図面と配線図。残っていれば現地調査が早く進みます

確認の順番はこうです。まず機器を数える。次に外への出入口を数える。そのうえで、止められない機器がどの経路につながっているかを線で結ぶ。ここまでできると、「どこから分けるか」は自然に決まります。全体像が先で、機器の選定は後です。

図面が残っていない、前任者が退職して構成を知る人がいない。そうした状態でも、事前に調べたうえで対応を組み立てる進め方があります。調査から始めれば、一覧そのものが次回以降の資産になります。

業者を比べるときに見ておきたい3点

提案の中身は会社によって差が出ます。次の3点をそろえて聞くと、比較の軸が定まります。

  • 工事の前に、今の機器と配線の一覧を作ってくれるか
  • 設備メーカーとの調整を誰がするのか、事前に決めてくれるか
  • 生産を止めない日程を前提に、段階的な案も出してくれるか

この3点がそろっていれば、どの会社でも任せる判断はしやすくなります。他社と比べるときのチェックリストとして使ってください。

コムネットワークは、LAN配線から管理機能付きスイッチ、ファイアウォール、VPNの構築、倉庫や工場棟をまたぐ建物間の無線LANまで、設計・構築・運用保守をワンストップで手がけています。全国の協力会社と連携しているため、複数の拠点をまとめてのご相談にも対応できます。

相談や現地調査をしたからといって、依頼が前提になるわけではありません。「まず全体像だけ知りたい」という段階でも歓迎です。他社の提案と並べて比べる一社として、使ってみてください。

  • お電話:052-533-0331(名古屋市中村区名駅南)
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よくある質問

Q1. 小さな工場でもネットワークを分ける必要はありますか?

A1. 規模より「止まったら困る設備があるか」で判断します。従業員10名程度でも、生産設備がネットにつながっているなら分ける価値があります。

Q2. VLANと物理分離、どちらがいいですか?

A2. 既存配線を活かすならVLAN、確実さを優先するなら物理分離です。重要な区画だけ物理分離にする組み合わせもよく使われます。

Q3. ラインを止めずに工事できますか?

A3. 配線の事前敷設や機器の設定は稼働中に進められる部分があります。切り替えだけを休日に寄せる計画にできるか、業者に確認してください。

Q4. 設備メーカーのリモート保守は止めるべきですか?

A4. 止める必要はありません。つながる範囲を設備の区画に絞り、使うときだけ接続する運用にするのが一般的です。

Q5. 構成図がない状態からでも相談できますか?

A5. できます。現地調査で機器と配線を確認し、一覧と構成図を作るところから始めます。図面が残っていれば調査は早く進みます。

Q6. 費用はどうやって把握すればいいですか?

A6. 工場の広さ、機器の台数、配線ルートで大きく変わります。同じ機器一覧を渡し、2〜3社の見積もりを同じ条件で比べてください。

Q7. 業者は何社から見積もりを取るべきですか?

A7. 2〜3社が目安です。同じ機器一覧と止められる日程を伝え、段階案と一括案の両方を出してもらうと違いが見えます。


まとめ

工場のネットワークを分けることは、大がかりな作り直しではなく、止まったら困るものを守るための整理です。つまずきやすいのは、機器の全体像が見えていないこと、設備メーカーの保守経路、そして工事できる日の少なさ。この3つを先に押さえれば、段階的に進める道が見えてきます。

この記事のまとめ:要点3つ

  • 生産設備・事務・来客の3区画に分け、来客用の切り離しから始める
  • VLAN・物理分離・ファイアウォールを組み合わせ、止められる日に合わせて段階的に進める
  • 業者比較は、機器一覧の作成・メーカー調整・工事日程の提案の3点で行う

まずは工場の中にあるハブと、外につながる回線を数えてみてください。その数を持って2〜3社に相談すれば、どこから手をつけるべきかが具体的になります。その比較先の一つにコムネットワークを加えていただければ、今すぐ変えなくてよい部分も含めて率直にお話しします。

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