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同じ質問が何度も来る職場へ|社内問い合わせを減らす仕組みの作り方

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社内からの問い合わせ件数そのものを減らすために、何をどの順番で手をつければいいのかを解説します。

同じ質問が何度も来る職場は、答える人を増やしても楽になりません。減らすべきは対応の負荷ではなく、問い合わせが生まれる原因のほうです。

同じ質問が繰り返されるということは、答えが誰かの頭の中にしかないか、書いてあっても見つけられない状態にあるということ。人を増やせば処理は速くなりますが、発生件数は一件も減りません。

正直なところ、多くの担当者は「仕組みを作ったほうがいいのは分かっている。でも、その時間を取るために毎日の問い合わせを止められない」という板挟みの中にいます。この記事は、その板挟みを、少ない工数から抜け出すための手順としてまとめたものです。


この記事のポイント

  • 問い合わせを減らす作業は、記録から始まります。何が何件来ているかを一か月分だけ書き出すと、内容が驚くほど偏っていることが分かります。上位のいくつかに対応するだけで全体の相当部分が消えるため、闇雲に手順書を量産する必要はありません。
  • 効くのは「答えを作ること」より「答えの置き場所を一つに決めること」です。よくあるのが、マニュアルはあるのに共有フォルダとメールと紙が混在していて、現場が探すのをあきらめて人に聞くパターン。置き場所が分散している限り、どれだけ良い資料を作っても問い合わせは減りません。
  • 名古屋・愛知では、本社の総務や情シスが、郊外の工場・倉庫や県内外の店舗まで面倒を見ている会社が目立ちます。拠点には聞ける人が常駐していないため、電話とチャットが本社に一極集中しがちです。この構成では、遠隔でも自己解決できる形に整えることの効果が特に大きくなります。

この記事の結論

一言で言うと、問い合わせは「受ける体制」ではなく「発生の入口」を絞ることで減ります。人を増やす、窓口を一本化する、対応時間を延ばす。いずれも大事な話ですが、それは件数を減らす施策ではありません。

最も重要なのは、記録と分類を先にやることです。感覚で「パスワード関係が多い気がする」と決めて手順書を作ると、たいてい外れます。一か月書き出すだけで、上位に集中している内容がはっきり見えます。

失敗しないためには、完璧な資料を目指さないことです。まず一枚。答えが三行で済むなら三行で構いません。運用に乗せてから育てるほうが、作り込んでから使われずに終わるより、はるかに確実に件数が減っていきます。


「またこの質問か」と思いながら、今日も同じ説明をしている

その場で口頭で答えてしまい、記録が残らない

よくあるのが、席まで来た社員に口頭で答えて終わりにしてしまうパターンです。三分で済むので、そのほうが早い。実際、その一件だけを見れば正しい判断です。

ただ、この三分は記録に残りません。翌週に別の人が同じ質問をしても、それが「二回目」だと誰も気づかない。半年で二十回聞かれていても、担当者の体感が「なんとなく多い」で止まってしまいます。

そして記録がないと、対策も打てません。何が多いのか説明できないまま、忙しさだけが積み上がっていく。問い合わせ対応がつらい職場のかなりの部分は、この「記録されない三分」の集積でできています。

現場から出てくるのは「聞いたほうが早い」という言葉

現場の人は、意地悪で聞いているわけではありません。「どこかに書いてあるのは知っているが、探すより聞いたほうが早い」と判断しているだけです。

実は、この言葉は仕組み側の評価そのものです。探す時間が二分、聞く時間が三十秒なら、聞くのが合理的。人の行動を責める前に、探す時間を三十秒より短くできないかを考えるほうが、話が早く進みます。

もうひとつ、現場は「聞いていいのか」も気にしています。こんな初歩的なことを聞いたら怒られるのではないか、と遠慮した結果、自己流の設定で運用して後からトラブルになる。聞かれないことによる損失も、実は小さくありません。

仕組みを作る時間が取れないという、いちばん現実的な壁

ひとり情シスや総務兼任の担当者からは、「整備したいが、その時間が取れない」という相談を最もよく受けます。

日中は問い合わせ対応と会議で埋まり、資料づくりは夕方以降。そこに障害対応が入れば、その日はもう終わりです。仕組み化は緊急ではないので、常に後回しになります。上に相談しても「今の業務でできる範囲で」と返ってくるだけ、という声も少なくありません。

だからこそ、最初の一歩は小さくしてください。必要なのはまとまった時間ではなく、問い合わせを受けた瞬間に一行書き足す習慣です。この方法なら、新しい時間を作らずに始められます。


問い合わせを減らす三つの基準

基準1:一か月記録し、分類して、上位だけに絞る

最初にやるのは記録です。受けた問い合わせを、その場で一行だけ残します。日付、聞いてきた部署、内容、対応にかかったおおよその時間。この四つで十分です。

道具は何でも構いません。表計算ソフトでも、チャットの専用チャンネルでも、メモアプリでも。凝った仕組みを用意しようとした時点で始まらなくなるので、いま開いているアプリで始めるのが正解です。

一か月たったら分類します。分類の粒度は十前後が扱いやすいところ。パスワードとアカウント、印刷まわり、無線がつながらない、メールの設定、業務システムの操作、機器の貸出、入退社に伴う手続き、といった具合です。

そして件数の多い順に並べます。ここで多くの職場が驚きます。上位の三つか四つで、全体のかなりの部分を占めているからです。ケースによりますが、内容の偏りははっきり出ることが多く、下位の細かい質問は一件ずつバラバラで再現性がありません。

だから手をつけるのは上位だけ。全部を手順書にしようとすると、量に押しつぶされて途中で止まります。上位から順に潰し、翌月の記録でまた上位を見る。この繰り返しのほうが、確実に件数が落ちていきます。

もうひとつ、対応時間も記録しておいてください。件数は少なくても一件に一時間かかるものは、優先度が上がります。件数×時間で並べ替えると、本当に効く順番が見えてきます。

基準2:答えの置き場所を一つに決め、探す時間を短くする

上位が見えたら、FAQと手順書を作ります。ここで重要なのは、作る前に置き場所を決めることです。

よくあるのが、手順書はあるのに共有フォルダの深い階層とメールの添付と紙の三か所に散っていて、現場がどれが最新か分からないという状態。この状態では、どれだけ丁寧な資料を作っても使われません。探すのをあきらめた人は、また人に聞きます。

置き場所は一つ。社内ポータルでも、共有フォルダの決まった一階層でも、グループウェアの掲示板でも構いません。大事なのは「困ったらここを見る」が一言で言い切れることです。二か所以上あるなら、片方は入口へのリンクだけにして、実体は一か所に寄せてください。

中身の作り方にもコツがあります。第一に、一件一ページにすること。長い総合マニュアルは目次で力尽きます。第二に、結論を先に書くこと。「Aを押してBを選ぶ」で終わる話なら、背景説明は後ろに回します。第三に、現場が使う言葉で見出しをつけること。「認証情報の初期化手順」ではなく「パスワードを忘れたとき」のほうが、確実に見つかります。

そして画面の写真を貼ってください。文章十行より、印をつけた画像一枚のほうが速いことがほとんどです。文章を練る時間があるなら、画像を増やしたほうが効きます。

更新のルールも先に決めておきます。誰が直すのか、最終更新日をどこに書くのか。実は、古い情報が残っていることが「あの資料は当てにならない」という評価につながり、せっかくの置き場所を無力化します。直せないなら、その項目は削るほうがましです。

基準3:入口を塞ぐ ― 初期案内とテンプレート化で発生前に手を打つ

ここからが、件数を本当に減らす部分です。

まず、新入社員と異動者向けの初期案内。入社直後の数週間は問い合わせが集中する時期で、内容もほぼ決まっています。アカウントの受け取り方、パソコンの初期設定、印刷の登録、無線への接続、社内システムへのログイン、困ったときの連絡先。この一式を一枚にまとめて初日に渡すだけで、その後の数週間の問い合わせがまとまって減ります。

次に、よくある設定のテンプレート化です。毎回手作業で設定しているものを、標準の型として固定します。パソコンの初期状態、印刷やネットワークの設定、権限の付与パターン、貸出機器の構成。事前に整えた状態で渡せば、渡した後の質問そのものが発生しません。

依頼のテンプレートも効きます。「新しい人が入るので準備してください」という依頼は、部署名、入社日、必要な権限、使う機器、といったやり取りを何往復も生みます。入力項目を決めたフォームや定型の依頼文を用意しておけば、この往復が一回で済みます。問い合わせ件数の中には、こうした「確認のための往復」が想像以上に含まれています。

最後に、効果測定です。指標はシンプルに、月あたりの件数と、分類ごとの内訳の推移でかまいません。手を打った分類の件数が翌月以降どう動いたかを見ます。減っていれば続ける。減っていなければ、資料の内容ではなく置き場所か伝え方に問題があると疑う。この確認をしていない取り組みは、たいてい途中で自然消滅します。

数字にはもうひとつ役割があります。上への説明材料です。「印刷関係の問い合わせが月に四十件から十件になりました」と言えれば、次の改善に時間を割く許可も通りやすくなります。


名古屋の職場事情と、どこまで自社でやるか

拠点には「聞ける人」が常駐していない

本社であれば、詰まったときに隣の詳しい人に聞けます。工場や倉庫、店舗はそうはいきません。聞ける相手が電話とチャットの向こうにしかいないため、一件あたりの解決時間が長くなります。

現場の端末や機器も、本社とは条件が違います。共用パソコンを複数人で使っている、生産設備につながっている、店舗では来客対応の合間にしか触れない。同じ手順書でも、本社基準で書かれていると現場で通用しないことがあります。

対策としては、拠点ごとに「最初に見る一枚」を用意するのが現実的です。全社共通の資料に加えて、その拠点の機器名や設置場所、連絡先を書いた一枚。これがあるだけで、遠隔からの説明が一気に短くなります。

名古屋・愛知に多い、本社総務が全拠点を抱える形

名古屋市内のオフィスビルに本社を置き、郊外に工場や倉庫、県内外に営業所や店舗を持つ。愛知圏では珍しくない構成です。そしてその全拠点の問い合わせを、本社の総務や情シスの数名が受けています。

この形では、件数が集中するだけでなく、対応の質も落ちやすくなります。現場を見ずに電話越しで判断するため確認の往復が増え、結局は出向いて解決する。移動時間まで含めると、一件のコストは本社の数倍です。

築年数の経ったビルや、増改築を重ねた工場では、配線や機器の構成が把握しきれていないこともあります。「そもそも何がどこにつながっているか分からない」状態では、問い合わせを減らす以前に、調べる時間が毎回発生します。構成図を一度作っておくことは、実は問い合わせ削減の土台になります。

自社でやること、外部に任せること

自社でやるべきなのは、記録と分類、そして現場の言葉を集めることです。何が何件来ているか、どの部署が困っているか、どんな言い回しで質問されるか。これは社外の誰にも分かりません。ここを持たずに相談すると、話が一般論で終わります。

外部に任せたいのは、繰り返し発生する原因そのものの解消です。無線がつながらない、特定のフロアだけ不安定、機器が古くて頻繁に止まる。こうした問い合わせは、資料をどれだけ整えても減りません。原因を測定して直す領域です。あわせて、配線や電気に関わる工事には有資格者による施工が必要な範囲があり、自社作業は避けるべきところになります。

境目の目安はこう考えると分かりやすくなります。「何が起きているかを集める」までが自社、「なぜ起きているかを特定して直す」からが外部。この線引きができていると、外部に依頼したときの説明も見積もりも精度が上がります。


こういう職場は今すぐ問い合わせの記録を始めるべき

  • 同じ内容の質問に月に何度も答えている自覚があるが、それが何件なのか答えられない
  • 担当者が休むと社内が止まる、または特定の一人にだけ質問が集まっている
  • マニュアルや手順書はあるのに、置き場所が複数あって最新版がどれか分からない
  • 新入社員や異動者が来るたびに、同じ説明を一から繰り返している
  • パソコンや機器の初期設定を、毎回その都度手作業でやっている
  • 拠点や店舗からの電話が本社に集中し、遠隔での説明に時間がかかっている

ひとつでも当てはまるなら、まずは一か月、受けた問い合わせを一行ずつ書き出すところから始めてください。記録は資料を作るための作業ではありません。どこに手をつければ効くのかを、感覚ではなく数字で決めるための材料づくりです。


よくある質問

Q1. 記録は何を書けばよいですか?

日付、聞いてきた部署、内容、対応にかかったおおよその時間。この四つで十分です。項目を増やすほど記録が続かなくなります。書くのに十秒以上かかる形式にしないことを優先してください。

Q2. FAQを作りましたが、誰も見てくれません。

内容ではなく、置き場所と見出しを疑ってください。探すのに二分かかるなら、現場は聞くほうを選びます。入口を一つに絞り、見出しを現場が使う言葉に書き換えるだけで、閲覧数が変わることは珍しくありません。

Q3. どのくらいで効果が出ますか?

ケースによりますが、上位の分類に手を打った場合、翌月から件数の変化が見え始めることが多いです。ただし新入社員の時期や新しいシステムの導入直後は一時的に増えます。前年の同じ時期と比べるほうが、判断を誤りにくくなります。

Q4. 手順書を作る時間が取れません。

全部を作ろうとしないことです。上位の一つだけ、しかも三行で書けるものから始めてください。画面の写真を貼れば文章はさらに短くできます。完成度より、今月中に一枚できることを優先するほうが確実です。

Q5. 問い合わせ管理のツールは導入すべきですか?

件数と担当人数によります。まずは表計算ソフトやチャットの専用チャンネルで記録を始め、続かない理由や集計の手間が具体的に分かってから検討するほうが失敗しません。ツールを入れても、記録する習慣がなければ件数は減りません。

Q6. 「聞いたほうが早い」という文化は変えられますか?

ルールで禁じるのは逆効果になりがちです。聞くより速い状態を作るのが本筋になります。加えて、答えるときに「ここに書いてあります」と置き場所を一緒に伝える。これを続けると、少しずつ入口を見る習慣がつきます。

Q7. 資料の更新が追いつきません。

更新できない項目は、思い切って削るほうが安全です。古い情報が残っていると、資料全体が信用されなくなります。最終更新日を明記し、上位の分類だけを確実に最新に保つ。範囲を絞るほうが、結果として使われる資料になります。


まとめ

社内問い合わせを減らす作業は、特別なツールも大がかりな体制も必要としません。記録して、分類して、上位から潰す。この順番を守るだけで、大半の職場は変わり始めます。

そのうえで効き目が大きいのは、答えの置き場所を一つに決めることと、発生前に手を打つことです。初期案内の一枚と、よくある設定のテンプレート化。この二つは、問い合わせを速く処理するのではなく、そもそも発生させない施策になります。

そして忘れたくないのが、件数の推移を見続けることです。減ったのか、減っていないのか。数字があれば次の一手が決まり、上への説明も通ります。数字がないままの改善は、いつのまにか誰も触らない資料の山になって終わります。

名古屋・愛知のように、本社が工場や店舗まで抱えている構成なら、遠隔で自己解決できる形に整える価値はさらに大きくなります。まずは今日受けた一件を、一行だけ書き残すところから。あなたの職場で、いちばん多く聞かれている質問は何ですか?



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