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「丸投げ」で失敗しない、情シスアウトソースの進め方ガイド

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情シス業務を外注したいが情報共有不足や対応遅れが心配な企業へ、契約前に残すべき社内機能と管理ルールを整理します。

情シスのアウトソースは「丸投げ」すると失敗しやすく、社内機能と管理ルールを残したうえで役割分担することが前提になります。

正直なところ、情報共有不足や対応遅れを防げるかどうかは、契約前にどこまで社内に"判断力"を残すかで決まります。


【この記事のポイント】

  • 情シスアウトソースのデメリットは、業務の属人化が「社外ベンダー側」に移り、情報共有不足・対応遅れ・コントロール喪失が起きやすいことです。

  • 失敗を避けるには、社内に要件定義・優先順位付け・一次判断の機能を残し、ベンダーに運用と現場作業を任せる形に分けて契約することが重要です。

  • 「全部任せてしまいたい」と思うほど疲れているときほど、一度立ち止まり、残すべき社内機能を整理してからアウトソースを検討するのがおすすめです。


この記事の結論

一言で言うと、情シスアウトソースのデメリットは「丸投げすると社内の"判断力"が失われ、ベンダー依存の新しい属人化を生む」ことであり、社内機能を残したうえで役割分担することが必須です。

最も重要なのは、契約前に「社内で持つべき機能(企画・要件定義・優先順位付け・一次切り分け)」と「外注に任せる範囲(運用・保守・現場作業)」を言語化し、管理ルールを文書化しておくことです。

失敗しないためには、「情シスを外に出すか/出さないか」という二択ではなく、「どの業務をどのレベルまで外に出すか」を細かく分けたうえで、段階的にアウトソースを進めることです。


丸投げアウトソースで起きる典型的なつまずき方

夜に「ベンダー担当者の名前」を検索してしまう

情シスアウトソース後の現場でよく見かけるのが、社内チャットやメールで、特定のベンダー担当者の名前だけを何度も検索してしまう行動です。

社内のITトラブルが起きるたびに、「まずは〇〇さんに聞いてみよう」「〇〇さん、今日オンラインかな」と画面に目を凝らす姿。

業務の属人化とは、ある業務の詳細な内容や進め方を特定の担当者しか把握していない状態であり、放置すると会社経営上大きなリスクになります。

PCAの解説でも、「社内インフラや業務システムの管理が属人化していると、トラブル時の対応が著しく困難になる」と指摘されており、ベンダー側に属人化が移っただけでは根本解決になりません。

正直なところ、私も過去に「社外の情シス担当者的な人がいるから安心」と感じていた時期があります。

しかし、その人が長期休暇を取った瞬間に障害が起き、社内もベンダー側も「あの人が戻るまで詳しいことはわからない」という空気になった場面を経験しました。

そのとき、「アウトソースしたはずの属人化が、形を変えて戻ってきている」と感じたのを覚えています。

情報共有不足で「ベンダー都合の判断」が増える

丸投げアウトソースのもう一つのデメリットは、情報共有不足から「ベンダー都合の判断」が増えてしまうことです。

Desknet'sのコラムでは、業務の属人化を解消する過程で、担当者のノウハウを可視化し、組織で共有することが重要だと説明されています。

よくあるのが、

  • 障害対応のログがベンダー側だけに残り、社内には要約しか共有されない

  • 構成変更やパッチ適用の判断が、ベンダー都合のスケジュールで進む

  • 社内が「何が変わったのか」「何が増えたのか」を把握できない

という状態です。

ケースによりますが、「よくわからないけど直してもらった」という経験が増えるほど、社内の判断力は少しずつ削られていきます。

正直なところ、障害時は「とにかく早く直してほしい」と思いがちですが、後から振り返ったときに「なぜその順番で対応したのか」がわからないと、改善の糸口が見えません。

対応遅れと「誰が優先順位を決めるか」の不在

アウトソース後に起きがちなのが、「対応遅れ」の原因がベンダーと社内の間に挟まれてしまうことです。

システム保守契約では、問い合わせ受付時間や初動対応時間、復旧目標時間を明示することが重要だとされていますが、これらを決める際に「誰が優先順位をつけるのか」が曖昧だと、動きが鈍くなります。

よくあるのが、

  • ベンダー側は契約どおり動いている

  • 社内は「この案件を優先してほしかった」と感じている

  • しかし、その優先順位を事前に伝える役割を誰も持っていない

というギャップです。

正直なところ、「ベンダーが遅い」と感じる場面の一部は、「社内で優先順位を伝えていなかった」結果でもあります。

こうしたズレを防ぐには、社内に「IT方針と優先順位を決める窓口」を残し、情シスアウトソース後もそこがベンダーとの橋渡しを担う必要があります。


情シスアウトソースで残すべき社内機能

企画・要件定義・優先順位付けは社内に残す

保守・運用契約は、システムの本番稼働後に安定運用を続けるためのベンダーとの継続契約であり、ネットワークやシステムの運用・保守を外部に任せる枠組みです。

ただし、企画・要件定義・優先順位付けは、基本的に社内に残すべき領域です。

Desknet'sは、業務の属人化を解消する過程で、業務内容の洗い出しとフローチャート化、手順の文書化・共有が重要だと述べています。

これを情シスアウトソースに当てはめると、

  • どの業務システムやインフラをどう変えたいのか

  • どの拠点・部門を優先したいのか

  • 障害時に何を最優先で復旧してほしいのか

といった「方針と優先順位」を決める機能は、社内が持っている必要があります。

正直なところ、「全部ベンダーに任せたい」と思うほど疲れている現場もあります。

実は、そのタイミングほど、一度立ち止まり、方針決めだけは社内で続ける体制を整えることが大事です。

一次切り分けと「これはベンダー案件」の線引き

アウトソースを成功させるうえで、一次切り分け機能も社内に残すべき重要な役割です。

NTT東日本のネットワーク障害コラムでも、設定ミスや配線ミスなど、人為的要因への対処には、現場での基本的な確認が欠かせないとされています。

具体的には、

  • 電源・ケーブル・簡易ログの確認

  • 自社側の変更履歴の確認

  • 障害範囲の切り分け(拠点内だけか、クラウド側か)

などの一次チェックを社内で行い、「これはベンダーに投げるべき案件」「これは社内設定で直せる案件」を振り分ける役割です。

正直なところ、「何でもベンダーに投げてしまう」方が楽に見える瞬間もあります。

しかし、一次切り分けがないと、ベンダー側も毎回ゼロから調査することになり、結果的に対応が遅くなりがちです。

情報共有・ナレッジ管理の"司書役"

属人化を防ぐためには、業務のノウハウや成功パターンを可視化し、組織全体で共有する必要があります。

情シスアウトソース後も、社内には「情報共有・ナレッジ管理の司書役」を残すべきです。

この役割は、

  • ベンダーからの報告書や障害記録を社内向けに整理

  • システム構成図や設定情報の最新状態を管理

  • 社内向けFAQやガイドラインを整備

することで、「ベンダーに聞かないと何もわからない」状態を防ぎます。

正直なところ、こうした文書化業務は地味で後回しになりがちです。

実は、この"司書役"がいるかどうかで、アウトソース後の10年単位の運用品質が変わります。


アウトソースのデメリットを抑える契約とルール設計

SLAと「社内で見るべき指標」を決める

保守契約・運用契約書を作成する際には、問い合わせ受付時間・初動対応時間・復旧目標時間・稼働率・障害区分・緊急対応などを定めることが重要だとされています。

しかし、これらを決めても、社内が「何を見て判断すべきか」を持っていないと、SLAを活かしきれません。

よくあるのが、

  • SLAは契約書にある

  • しかし、社内では誰もSLAの内容を見ていない

  • 結果として「遅い」「早い」の評価が感覚に頼る

という状態です。

正直なところ、SLAは紙に書いて終わりではなく、「どの指標を社内でモニタリングするか」を決めておく必要があります。

例えば、

  • 重大障害の年間件数

  • 初動対応時間の平均値

  • 障害ごとの報告書提出までの期間

などを、四半期ごとに社内で確認し、ベンダー側と共有するルールを作ると、「対応遅れ」や「質のばらつき」を早期に検知できます。

社内窓口とベンダー窓口を明確にする

アウトソース後の情報共有不足は、社内窓口とベンダー窓口が曖昧なままになっていることが原因の一つです。

保守契約では、問い合わせ窓口を明示することが基本ですが、社内側も「誰がベンダーと話すのか」を決めておく必要があります。

よくあるのが、

  • 現場から直接ベンダーへ問い合わせる

  • ベンダーが現場ごとに別の担当者と話す

  • 組織としての方針や優先順位が共有されない

という構図です。

ケースによりますが、「社内IT窓口」を一つ決め、その窓口だけがベンダーと契約・SLA・優先順位の話をする形にすると、情報が整理されやすくなります。

正直なところ、窓口統一は最初は面倒に感じます。

しかし、長期的には「誰が何を決めたか」が追いやすくなり、トラブル時の振り返りも楽になります。

「段階的アウトソース」で丸投げを避ける

保守・運用の分類として、予防保守や運用代行など、任せ方には段階があります。

情シスアウトソースでも、「段階的に任せる」ことが丸投げを避けるポイントです。

例えば、

  1. ネットワーク・回線・Wi‑Fiなど"止まると業務停止になる部分"だけを、保守契約で外に出す。

  2. PCキッティングや定型作業など、繰り返し作業をアウトソースする。

  3. 将来的には、監視・バックアップ・一部ヘルプデスクなども含める。

といったステップで進めると、社内の納得感も高まりやすく、「気づいたら全部外に出ていた」という事態を避けられます。

正直なところ、「もう全部任せたい」と感じるタイミングほど、段階的アウトソースを意識したほうが、のちの後悔を減らせます。


情シスアウトソースのメリット・デメリット比較と背中押し

内製 vs. アウトソースの視点

情シス業務を「全部社内で持つ場合」と「外注する場合」の特徴を整理すると、次のようになります。

項目 内製中心 アウトソース中心
スピード 社内判断が早い 契約・SLAに沿った動き。即応性は契約次第
スキル 社内にノウハウが蓄積。属人化リスクあり 専門知識をベンダーが保有。ベンダー依存リスクあり
コスト 人件費・教育コストが中心 月額保守費・スポット費が発生
柔軟性 方針変更を自社判断で行いやすい 大幅な変更には契約見直しが必要になる

よくあるのが、「内製かアウトソースか」の二択で考えてしまうことです。

ケースによりますが、「企画・方針・優先順位は内製」「運用・保守・現場作業はアウトソース」というハイブリッド構成が現実的です。

「こういう状態なら今すぐ相談すべき」

こういう人は今すぐ相談すべき、と言える状態があります。

  • 社内の情シス担当者が1人だけで、休暇や退職が常に不安材料になっている

  • 過去1年で重大なIT障害が複数回発生し、そのたびに同じ担当者が夜中まで対応している

  • 構成図・設定情報・障害記録が散在しており、「誰も全体像を説明できない」状態になっている

この状態ならまだ間に合う――情シスアウトソースは「ギリギリになってから駆け込む」より、「属人化が重くなり始めた今」の段階で動き出した方が、選べる打ち手が多いです。

迷っているなら、「残したい社内機能」「外に出しても良いと思える業務」「過去1年の障害と負担の実感」の3つだけ整理し、信頼できるパートナーに相談するのがおすすめです。


よくある質問

Q1. 情シスを完全アウトソースすると、社内IT人材は不要になりますか?

A. いいえ、方針決定・要件定義・優先順位付け・一次切り分けなどは社内に残すべきで、完全にIT人材ゼロにするのはリスクが高いです。

ベンダーとの橋渡し役がいなくなると、コントロールが難しくなります。

Q2. アウトソース後に社内へ戻すのは、現実的に可能ですか?

A. 文書化・ナレッジ共有を続けていれば可能ですが、「任せっきり」で情報が残っていない場合、戻す際に再び属人化リスクが高まります。

アウトソース期間中も、社内に知識を蓄積し続けることが前提です。

Q3. SLI/SLAは、どれくらい細かく決めるべきですか?

A. 初動対応時間・復旧目標時間・稼働率・重大障害の定義など、最低限の項目は具体的な数字で決めるべきです。

細かくしすぎても運用負荷が増えるため、優先度の高い指標に絞るのが現実的です。

Q4. 情シスアウトソースの費用は、何を基準に考えるべきですか?

A. システム規模や対象範囲によりますが、保守・運用契約の年間費用を対象システムの総コストの5〜15%程度とするケースが多いとされます。

段階的アウトソースなら、より低い比率から始めることも可能です。

Q5. ベンダー選定時に、最も確認すべきポイントは何ですか?

A. 対応範囲・SLA・ナレッジ共有の仕組み・担当者の継続性などを確認することが重要です。

「どこまで社内に情報を戻してくれるか」を具体的に聞いておくと安心です。

Q6. 社内側の準備として、最初にやるべきことは何ですか?

A. 業務の棚卸しと、情シス業務のフローチャート化・優先順位付けが第一歩です。

どの業務を外に出しても良いか、どこは残すべきかを可視化してからベンダーと話すべきです。

Q7. アウトソース後も、社内で継続的なスキルアップは必要ですか?

A. はい、属人化を防ぐための有効な手段として、継続的なスキルアップやトレーニングが重要だとされています。

ベンダー任せにせず、社内にもITリテラシーを広く育てておくべきです。


まとめ

情シスアウトソースのデメリットは、丸投げすると社内の判断力が失われ、ベンダー依存の新たな属人化と情報共有不足・対応遅れを招く点にあります。

失敗を防ぐには、企画・要件定義・優先順位付け・一次切り分け・ナレッジ管理などの社内機能を残し、「止めたくない業務から段階的に外に出す」方針で、契約と管理ルールを設計することが重要です。

「情シス担当者が限界に近い」と感じる今こそ、丸投げではなく役割分担のアウトソースを検討し、"休んでも回る情シス"に近づけるタイミングです。

要点を一度整理し、「あなたのクライアント企業で、どの情シス業務から役割分担を始めるか」を一緒に決めてみませんか。

まず外へ出したいと感じているのは、企画・運用・ヘルプデスクのうち、どの領域でしょうか?




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